WWE:AbemaでWWEを楽しむために知っておきたい四方山話『2023年のWWEとはBloodlineである』他
- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
皆さん、AbemaでWWEしてますか?
多くの人がリアタイで楽しんでいる様子がXのTLを賑わせていますが、その盛り上がりを見て、無料だし見てみようかなと思ってる人もいるかと思います。さて、そんなTLの様子を見てると、フジの深夜ぶりに見るとか、昔は見ていた、初めて見るという人も大勢いるようです。
Abemaでは適宜、日本語字幕などで選手の紹介などがされていますが、もう少しだけ詳しくなると、もっと今のWWEが楽しくなるポイントを解説していきます。
【その1:2023年のWWEとはBloodlineである】
今週のRAWでドリュー・マッキンタイアがジェイ・ウーソに対し信頼していない、という旨の発言をしていました。これはジェイがかつてBloodlineに所属していたことに端を発します。
Abemaでの放送では、ジェイがBloodlineを離脱した後から始まっているため、あまりこの関係性について深く語られていませんが、2023年のWWEのストーリーラインの主軸はBloodlineそのものであると言っても過言ではないでしょう。
まず、Bloodlineはワイルド・サモアンズとして知られるシカ・アノアイを父に持つ"トライバル・チーフ(一族の長)"ローマン・レインズ、リキシを父に持つ双子でレインズの従兄弟に当たるジミー・ウーソ、ジェイ・ウーソ、その末弟のソロ・シコアが中心的なメンバーです。
レインズはWWEユニバーサル王座を1130日以上防衛し続ける現在のWWEの絶対的王者です。しかし、その防衛には絆を誓う家族の存在が不可欠であり、レインズのピンチとなれば、Bloodlineのメンバーは介入だけではなく、襲撃などもいとわない無法なヒールユニットとも言えます。
しかし、ここに一人、密告者が加わったのが2022年9月。サミ・ゼインはウーソズと抗争中だったRK-Broらがバックステージで彼らの悪口を言っていたと告げ口したところから始まり、Bloodlineにすり寄るとサミは旧知の仲であるケビン・オーウェンズとも仲違い。徐々にBloodlineの信頼を勝ち取り、名誉メンバーとして受け入れられました。
ですが、2022年最後のスマックダウンでレインズと組んだサミは、オーウェンズ、ジョン・シナ組に敗北、徐々にレインズからの信頼を失っていき、オーウェンズとの王座戦を前にレインズはサミをBloodlineから除外しようと、ソロ・シコアに攻撃を加えるよう命令します。これを阻止したのがジェイ・ウーソ。サミがどれだけ自分達に献身的に尽くしてきたか、自分は家族同然だと思っていると発言し、レインズの命令にウーソズが歯向かうという亀裂を生み出してしまいます。
決定的になったのは、ロイヤルランブル2023の王座戦。レインズがあらゆる手を尽くして勝利した後、オーウェンズに手錠をかけた状態で、サミにオーウェンズをパイプ椅子で殴れと命令します。考え込んだサミはレインズに対して椅子を振り下ろすと、瞬時にジミーとシコアがサミに襲いかかりました。ジェイだけがサミに攻撃を加えることを拒否し、リングを離れるというBloodline解体の最大の危機が始まりました。
結果、ジェイはBloodlineを離脱、一時はWWEを離脱するという噂もありましたが、コーディ・ローデスの力添えでRAWへと移籍。ジャッジメント・デイに狙われるもコーディの助けを得て、統一タッグ王者に返り咲きます。
一方、今週のサミとジェイの仲がぎくしゃくしたのは、この一件があって、サミはBloodlineを離脱した後、ケビン・オーウェンズとの数年ぶりのタッグを復活させますが、オーウェンズがジェイの移籍に対し、スマックダウンへとトレードされてしまい、タッグは解消。また一人になってしまったところへ順風満帆そうなジェイが来て、思わず抱えていた不満が溢れてしまったものの、あの時、自分を信じてくれたジェイに対して酷い態度を取ってしまったと思い直しすぐに謝りに行ったという描写でした。
このストーリーラインは、近年のWWEが描く物語の中でも非常に重厚で、濃い物語であり、コロナ禍の難しい局面で王座を支え続けたレインズと家族、同時にサミとオーウェンズのインディーズ時代にまで遡る人生のお話と言えます。
【その2:NXTは2ブランドよりも下位組織なの?】
WWEと言うと、RAWとスマックダウンのイメージが強いと思います。実際、AbemaではNXTはプレミアム限定になっており、リアルタイムでの視聴は出来ません。
実際、かつてのNXTはRAW、SDの下位組織であり、実験的な要素が強かったと言えます。パフォーマンスセンターでトレーニング中の選手たちがTVマッチとして登場する場所で、NXTで結果を出した選手が2ブランドに昇格していく仕組みになっていました。
ちなみに、ASUKAはNXTデビューから2年半、267回の連勝という圧倒的な記録を保持しています。
しかし、Abemaでの放送を見ていると、NXTのベルトの防衛戦がRAWやSDで行われているのを見かけると思います。
かつてはNXTはNXTの選手だけが出る番組でしたが、現在はトレーニング中の若手選手もいるし、RAWやSDに出ているような選手も出るという形になっています。
当然、視聴率的な話もありますが、NXTの若くて野心的な選手と対戦をしてみたいという声が選手の中からあり、それも踏まえて実現されたものと思われます。
現在、インターコンチネンタル王座を所持するグンターらはかつてNXT UKというイギリスのパフォーマンスセンターに所属していました。コーチ陣もジョニー・セイントなどかつてのUKシーンを知るヨーロピアン・スタイルのレスラーが多いのも特徴でした。
また、噂ではこれを拡大したNXTヨーロッパの構想があり、既にタレントやコーチが収集されているという話があります。トリプルHはNXTの構想として各大陸にNXTが存在し、まるでワールドカップのように競うというアイデアを持っていますが、日本でのNXT展開に関しては複数団体の買収などの噂や、独自にパフォーマンスセンターを作るという噂も全てうまくいかなかったのではないかと言われています。
RAW、SDはNXTを追っていなくてもストーリーを楽しむことは出来ますが、NXTを見ておくと新しい選手が出てきた時にドヤれますし、NXT時代の抗争を引き継いだ関係性みたいなものもあります。今、注目すべきは、あのドラゴン・リーがどのタイミングで昇格するのかというポイントかもしれません。
【その3:女子の試合に根付くハート・ファミリーの教え】
WWEを初めて見る人は女子の試合が多いことに驚くかも知れません。また久しぶりに見た人は女子の試合がすごくハードなものになっていることに驚くでしょう。
現在、女子の試合の多くは、タイソン・キッドことセオドア・ウィルソンがプロデュースしてると言われています。彼は2000年代のベスト・オブ・ザ・スーパージュニアにも二度出場しており、カルガリー出身でハート・ファミリーでお馴染みのハート・ダンジョンでトレーニングを積んでおり、トレーナーはブレット・ハートです。また、彼女の配偶者ナタリアことナッティ・ナイドハートは、ブレット・ハートのタッグ”ハート・ファウンデーション”のパートナー、ジム・ナイドハートを父に、ブレットの姉妹エリーを母に持つ超サラブレッドです。
(同じく姉妹のダイアナと"ブリティッシュ・ブルドックス"でダイナマイト・キッドとタッグを組んでたデイビーボーイ・スミスの間に生まれたのがハリー・スミス、後のデイビーボーイ・スミスJr.であり、この世代は赤子の頃から顔を合わせてトレーニングしている仲)
単純に試合のプロデュースだけではなく、セオドアとナタリアは自宅の車庫を改造して、リングを組み、女子男子問わずトレーニングのために開放しています。この方法は、かつて「自宅の地下に地獄のトレーニング施設があったと言われているハート・ダンジョンそのものと言えます。
日本人の選手がアメリカに渡った際に、インスタグラムなどでこの場所でトレーニングしている様子が時折流れてくることがあります。
とにかくベーシックなレスリングを徹底して身につけること、それと同時に華やかなショービジネスとしてのレスリングを両立させることを重視したスタイルは、WWEにおける女子の試合を何段階もステップアップさせる歴史的な快挙を成し遂げたと言えるのではないでしょうか。
ナタリアの衣装のモチーフにハートやピンクが多くあしらわれているのは他でもなく彼女がハート家の一員であるという証なのです。
【その4:コーディ・ローデスは何故ペディグリーを使うのか】
ペディグリーと言えばトリプルHの代名詞とも言える技ですが、今週唐突にコーディが出していました。トリプルHは既に選手をやめていますが、WWE的にはこの技はセス・ロリンズが継承していると考えられており、WWEに復帰したコーディとロリンズの対戦でも重要な局面でペディグリーが奥の手として使われました。
コーディがペディグリーを意図して使ったのは、AEW時代に遡ります。まるでトリプルHを思わせるような玉座をハンマーでぶち壊すなど過激な挑発をしていた中で、示唆するようにペディグリーを使用し、非常に大きな話題となりました。
彼は試合の中でこういう話題を振りまくことを得意としています。元々、アメリカン・ナイトメアと言う変形足4の字をWWE離脱後のフィニッシャーにしていましたが、AEW移籍後、ストーリー上でアーン・アンダーソンが彼のコーチについてからは正調の足4の字を使用しています。
これはアーンがフォー・ホースメンの一員であり、足4の字の絶対名手"ネイチャーボーイ"リック・フレアー(RAWでイヨ・スカイ、ASUKAと抗争中のシャーロット・フレアーの父、グレート・ムタのホール・オブ・フェイムではコンダクターを勤めた)の右腕であり、フレアーのライバルといえば父ダスティ・ローデスという関係性から、正調を自分の技として使っています。
何故、AEWの副社長という座を捨ててまでWWEに戻ったのかという疑問もありますが、WWE離脱前の彼はなかなかポジションに恵まれなかったものの、やはりかつて”アメリカン・ドリーム”と呼ばれた父のように、WWEでの王座獲得などやり残したことが多く存在していたということではないでしょうか。
駆け足に気になった点をピックアップして書き出してみましたが、放送を見ててここが分からなかったとか、このお話はどうなっているのなどありましたら、是非お気軽にリポストなどいただけると幸いです。
- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
コメント
コメントを投稿