WWE四半期投資家向け電話会議が行われ、決算報告の発表に、ビンス・マクマホン、ニック・カーン、ステファニー・マクマホン、フランク・リディックらが参加しました。
2020年初頭、パンデミックが米国内で国家的規模で発生し、多くの産業がビジネスのやり方を変えました。成功したものもあれば、失敗したものもあります。決算報告でWWEは前者であり、売上高は10億ドル以上、好調のうち1年を終えました。
WWEが行った最大の動きはPPVや特別イベントのライブ中継を含むWWEネットワークのコンテンツをピーコックストリーミングサービスに持たせるというNBCUniversalとの契約でした。WWEは別のプラットフォームでWWEコンテンツを上映する放送契約を結んだだけではなく、米国のWWEネットワークが達成出来る範囲を遥かに超えて、その範囲を拡大しました。
ビンス・マクマホンは、来年は、国際市場におけるネットワークコンテンツのライセンス供与、新しいオリジナルシリーズの収益化、WWEのプレミアムライブイベントのスタジアム戦略への継続的な移行など、主要なイニシアティブを実行する事で、当社のブランドのリーチをさらに拡大し、コンテンツの価値を高める事が出来ると期待しています、と述べました。
【純利益10億9500万ドル、史上最高、前年比12%増加】
2021年純収益は10億9500万ドルで史上最高、調整後OIBDA(減価償却前営業利益)は年間3億2710万ドル、第4四半期は2020年が5120万ドルに留まったのに対し、2021年は9720万ドルとほぼ倍増させることになった。売上げ10億9500万ドルは前年比12%増、営業利益は24%増の2億5900万ドルとなった。
好調な決算の大きな要因の1つは昨年10月のクラウンジュエルでサウジアラビア公演に戻ったことで、今年は2回のサウジアラビア公演が予定されています。また、増収の理由として、RAW、スマックダウンの国内コアコンテンツの権利料の伸びと、ショーに通うファンの回復が上げられます。2020年は大半がファンのいないショーに費やし1990万ドルに留まったものの、2021年は5780万ドルにまで拡大しました。(2019年は1億2560万ドルだったため、まだ収入を増やす道があります)
会場マーチャンダイジングの売上げ、WWEショップの売上げを含む消費財の売上げが増加、2021年は1億120万ドルとなり、2020年の8610万ドルから増加した。
2022年はファンが来場するイベントを通年で開催することで、収益だけではなく利益も増加し、過去最高の収入マージンを見込んでいます。また、国際市場におけるWWEネットワークのライセンス供与(先日発表されたインドネシアでのDisney+との契約)だけでなく、RAWの再放送権などコアコンテンツのライセンスによる収益なども考えられています。
【TV視聴率は低迷】
なお、視聴率は低下しており、RAWは6%の減少、スマックダウンは8%の減少。ただし、これはWWEだけの問題ではなく、ケーブルのゴールデンタイムの視聴率自体が大幅な減少を迎えています。トップ25のケーブルネットワークの番組で22%減少、USAネットワークの視聴率は18%減少となっています。
しかし、スマックダウンは少し事情が違い、USAネットワークからFOXに移った事で視聴率が回復したものの、現在、平均視聴者数が200万以下に戻っています。さらにFOXのプライムタイムは実際には前年比10%増で、上位4番組も1%下落に留まっています。
【WWEネットワークとピーコックの契約は好調】
契約当初、110万人しかいなかったWWEネットワークですが、ニック・カーンはピーコックの有料会員のうち350万人がWWEコンテンツをプラットフォームで視聴したと明かしました。また、PPVは2019年のイベントに比べると軒並み20%を越える視聴者数の増加があったそうです。
AVOD(広告付きビデオ・オン・デマンド)視聴率、視聴時間は2021年はその歩みを遅らせました。Facebook、Instagram、Snapchat、TikTok、Twitch、Twitter、Youtube、WWE.com、WWE Appで視聴された動画を含み、第4四半期は92億時間と前四半期に比べると30億時間程短くなったが、これはYoutubeとFacebookでフルマッチが削除された影響と見られています。
ニック・カーンは、大小さまざまなゲームコミュニティーの統合には驚いていない、他のコンテンツやプラットフォームでもこの傾向は続くと予想しています。(マイクロソフトやソニーがアメリカの大手ゲームコンテンツ会社を次々と買収、統合を行っている。eスポーツタイトルとしても上位であるCoDやOverwatchなどの開発を行っている会社のため、ビジネス的にも非常に注目度が高かった。)
【メタバースの展開を示唆】
ステファニー・マクマホンは、メタバースの探求を行っている事を認めました。(メタバース上で企業アピールの方法を模索するのは、今年のトレンドと見られており、グッチやナイキなどはメタバース上で商品の展示を行うなど積極的な姿勢を見せている。WWEも先行してNFTプラットフォームとの提携を発表しており、今後、その延長線としてメタバース上での展開が考えられる。)
「特により多くの人々が繋がり、交流する為に底に行くという理論が展開されるにつれて、我々はメタバースをWWEの機会として探求しています。WWEはコミュニティを基盤としたビジネスであり、ファンが集まり、この体験を共有することが全てなのです。私達はメタバース自体にそれを拡張する大きな機会があると考えています。アプローチとしてはデューデリジェンスを行っているところです。様々なパートナーに会い、出来る限り多くの事を学んでいます。この分野では性急な事はしたくありません。とはいえ、遅れを取る事ではありません。常に曲線の少し先を行っていたいと思います。これは我々が積極的に関与し、調査し、検討しているものです。」
Fightful
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