アンドラーデ・エル・イドロがAEWに到着しました。6月4日放送のAEW「Dynamite」でマーク・ヘンリーが登場し、初めてマイクを握りました。自分がスクリューを回して、より活発にし、AEWと自身がアナリストを務める新番組「Rampage」をより良い物にするために協力すると述べ、トニー・シヴァニから再びリングでの活躍を見られるかと聞かれると、「イエスとは言わないが、まだたくさんのことが残っている」と述べました。
そこへ、ヴィッキー・ゲレロが割って入ると、2人をリングの外に追い出して、呼び込んだのはアンドラーデ・エル・イドロ。元WWEスーパースターである彼は自ら、かつてラテン系の顔役と呼ばれていたと述べ、共は自分が"All Elite Wrestling"の新しい顔役になると言いに来た、と明かしました。
3月21日にWWEからリリースされ、90日の競業禁止状況はついていません。すでに8月14日に開催されるAAA最大のイベントトリプレマニアでケニー・オメガが持つAAAメガ選手権試合での挑戦が決まっています。また盟友ルーシュがメキシコで立ち上げる新たなイベントにも参加することが発表されています。
アンドラーデがどの団体に出場するかについては、様々な憶測が飛び交っていました。例えば、ROHにはルーシュ達もいますし、CMLLではなくAAAに行くという選択肢もあります。事実、Dynamiteに登場した時には元IWGPインターコンチネンタル王者としても紹介されていました。しかし、いくつかの条件を考えると、この選択は妥当なものと言えます。
・AAAメガ王座を巡るプロモーション
先にも話したように、既にAAAでのケニーとの一戦が決まっています。これは先日報じたコナンの肝入りのマッチメイクと言われており、AAAもメキシコだけではなく、世界中にこのカードを足がかりにAAAのルチャを広めたいと考えています。AAAは現在、インパクトとも提携しており、女子のタイトルマッチはインパクトのノックアウトチャンピオンと行われます。しかし、AAAにはアメリカでの展開には問題が生じています。
ルチャ・アンダーグラウンドを展開していた際の権利問題で訴訟を起こされており、AAAの放映をアメリカで行う事が出来ません。これを解決する方法は模索されているようですが、現在、アメリカにいるケニーとアンドラーデがこの一戦を盛り上げるためのプロモーションを行うとすれば、AEWが最適な条件であることは言うまでもありません。アンドラーデがこの後も継続的に参戦を続けるのかはまだ定かではないと言えます。
・フレアー家、TNTとの関係
AEWを紐解く上で、放送局であるTNTとの関係性は外す事が出来ません。TNTは長きに渡り、プロレスにおける放送を支えて来ました。そして、その軸の中に存在するのがリック・フレアーという存在に他なりません。NWA時代に遡り、WCWを経由して、フレアーのプロレス、そして4ホースメンのプロレスがTNTで放送され続けて来ました。
AEWには、フレアーを支えたアーン・アンダーソン、タリー・ブランチャードとその息子ショーン・スピアーズ、さらには、ライバルとして立ち塞がっていたダスティ・ローデスの息子コーディ、ダスティンがいる中で、娘シャーロット・フレアーの婚約者であるアンドラーデが参戦するとなれば、時代を超えたお家騒動がより幅が広がる事態になるでしょう。
・CMLLトップ選手、ロス・インゴ・ベルナブレスの不在
AEWにはルチャを主体にした選手といえば、ルチャ・ブラザーズが挙げられます。彼等はAAAの出身であり、CMLLから出た選手でAEWのトップチームにいる選手はいません。また、ロス・インゴ・ベルナブレス・オリジナルでAEWに立っている人間もいません。ROHのルーシュのところに合流するかと思われましたが、自らが1人のトップ選手であることを提示する上では別団体に行く事でよりその価値を広める事が出来る、と考える事は出来ます。
その上で、先に述べたようにメキシコでのルーシュのイベントにはROHからも様々な選手が出ますが、AEWに参加したとしてもおそらくそういう活動に支障がないという形になっていると考えることが出来ます。また、現在の新日本との関係性を考えれば、ROHに行くよりもAEWに行く方が戦う選択肢としてはより広くなるとも言えます。
Wrestling Inc
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