ここからのお話はあくまでも妄想100%の四方山話です。
サイバーファイトフェスを仕事の合間に見ていたわけですが、実はこの興行、単なるサイバーエージェント下の団体が寄り集まってお祭りをやったというだけの代物ではないのではないかという感情が芽生えて来たのです。いくつかの点からそれを解き明かしていきたいと思います。
【WWEも成し遂げていないブランド制がある】
WWEといえば、RAWとSMACKDOWN、そしてNXTというブランドが大きく3つ分かれています。例えばRAWは生放送であるとか、各ブランドごとに少しずつ異なる色づけがされています。しかし、彼等も成し遂げていないブランドが今回の興行には存在していました。それは女子プロレスという存在です。
確かに、普段は団体として分かれているNOAH、DDT、東京女子プロレスですが、今回の興行では幅広く見るとWWEにおけるブランド合同興行と同じように見る事が出来ます。その見方をした時に、WWEは未だ女子のみのブランドを創設したことがありません。長い年月をかけて、女子部門の改善は行われて来ましたし、先日のアイコニックスの記事でも女子タッグ部門をどう盛り上げて来たかという話題がありました。女子のみのPPVや今までは男子のみだったルールでの試合、あるいはビッグマッチでのメインなど特にこの数年でWWEにおける女子部門は大きく変わって来たのですが、女子のみのブランド、番組は成立していません。かつてミッキー・ジェームスが進言したことがありますが、却下されたという話が出たことがあります。
日本における女子プロレスというのは世界的に見ても特異的な存在であり、女子だけのプロレス団体がこんなにも多いというのも非常に珍しい状況ではあります。女子の格闘技、プロレスの盛り上がり、というのはブシロードがスターダムを手中に収めたことからも分かる通り、波が起きているのですが、今回の興行で東京女子プロレスは明確にその存在を見せつけた形になりました。サイバーファイトという枠組みで見た時に、レッスルユニバース会員になっていれば月額900円で東京女子プロレスも見る事が出来る、というのは、世界的に見て先鋭的なことなのではないでしょうか。WWEユニバースでも新日本プロレスワールド会員でもそれは出来ません。
【大社長の積み重ねが生んだ興行】
サイバーファイトという枠組み自体を興行を通して見てみると、大社長がやってきたことの積み重ねであることが分かります。それを感じたのは、大トリのGHCヘビー級選手権試合、武藤と丸藤の一戦です。確かに興行全体の流れで見ると、対抗戦や東京女子の試合がラインナップされてはいるのですが、最後の一戦がGHCヘビー級選手権試合であることによって、これがDDTのさいたまスーパーアリーナでの試合ではない、ということを印象づけています。入場時、先に入場した丸藤のライトアップで会場は緑に照らされていました。では、NOAHが順当に会社をやっていて、この数年の間にさいたまスーパーアリーナで興行を打てていたでしょうか。いえ、難しいと思うのです。
ましてや、その対戦相手であり、チャンピオンが武藤というシチュエーションを演出出来たでしょうか。事実はどうか分かりませんが、武藤と大社長の関係性は、かつての団体での社長という繋がりがあり、今、この瞬間にこのカード、このシチュエーションを引き寄せたのは、大社長のやってきたことの積み重ねだったのではないかと見る事が出来ます。試合後に2年契約を結んでいるから、怪我をしても治療ができるという旨を残していましたが、武藤がNOAHにいるという価値を換算するクレバーさはお手の物と言えます。
かつてWWEから買収の話が出ていたNOAHをサイバーエージェントと結びつけて、さいたまスーパーアリーナで興行を打てるところにまで持っていく。過去の大社長の姿を思えば、WWEに対して一矢報いたといっても過言ではないのかもしれません。
【"Forbidden door"の存在】
興行の最後、GHC王者、KO-D王者、プリプリ王者が立ち並ぶ姿に感動を覚えました。秋山と丸藤が別々なシングル王者として並ぶ姿を見る日が来るとは思ってもいませんでした。しかし、フと思ったのです。今、世界で起きている流れ"Forbidden door"がもしこの瞬間に現れたとしたら。
このキーワードは、様々な団体で扱われており、パンデミック下の中で予想だにしない団体同士のコネクション、うねりを生み出しています。AEWやImpactに新日本の選手が上がるなんていうことも、つい1年前ではありえないことと思われていました。(実際には、カール・アンダーソン、ドグ・ギャローズがImpact契約時に新日本にも上がれるような契約をしており、ロッキー・ロメロが仲介役で綿密に計画されてきた流れ)例えば、既にAEWには竹下が参戦していたり、東京女子の選手も大きなインパクトを何度も残してきています。この流れをサイバーファイトに当てはめると、NOAHは既にImpactと提携を行っています。Impactでトップ選手であるエディ・エドワーズは言わずとしれたNOAH練習生からレスラーとして成長した生粋のNOAHレスラーです。本人も様々な媒体で、パンデミックでなければ日本と行き来したいと口にするほどNOAHとImpactを繋ぐ架け橋になる気概があります。
じゃぁ、Impact世界王者は現在、誰か。そう、ケニー・オメガです。誰もが知るAEWオリジナルであり、The ELITE、DDT出身でベルトコレクター、AEW世界ヘビー級王者、AAAメガチャンピオン、アンドラーデとのシングルも決まっているケニーがImpact世界王座を持っています。もし、ケニーが、提携を結んでいるNOAHの至宝、そしてかつてのホームの至宝を巻くとなれば、ケニーvs秋山、ケニーvs丸藤という異次元のような試合が一瞬にして目の前に現れる事になります。荒唐無稽な、まるでビデオゲームの中のような話ですが、しかし、今の世界で起きている流れは、それを可能にしてしまうのです。
興行が始まるまで、対抗戦の是非が取り沙汰されていましたが、結果的にサイバーファイトという枠組みで見ると、そちらよりももっと巨大なものへの対抗として捉える事が出来ました。世界で一番大きい団体が番組内ブランドを分けているように、サイバーファイトという中で、各団体がそれぞれの色で活動を続ける事で、WWEではなし得ないことが起こりかねないことを今日見せつけられたのではないでしょうか。個人的には、まかり間違って大家がジョン・モクスリーと有刺鉄線電流爆破で戦う日が来る事を夢見ています。かしこ
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