ROH:7.26PPV「Death Before Dishonor」の女子王座戦2試合が発表!アテナvsアミナタ、スタークスvsベルベット、手負いの世界王者アテナは防衛することが出来るのか。

イメージ
7月26日金曜日に開催されるROH Death Before Dishonorで行われる2つのタイトルマッチが発表されました。 女子世界チャンピオンのアテナは、クイーン・アミナタを相手にタイトルを防衛することになりました。この試合は木曜日のROHで発表されました。アテナは5月から活動を休止しており、リング上での欠場はストーリー上の負傷が原因とされています。女子世界チャンピオンは5月の最後の試合で怪我の恐怖に苦しみましたが、それはストーリーの中で誇張されています。 アテナの「手先」ビリー・スタークスもDeath Before Dishonorでタイトルを防衛します。PPVでレッド・ベルベッドを相手にROH Women's TV 王座の防衛戦を行います。 木曜日の放送では、リー・モリアーティーがROH Pure Championship Proving Groundの試合でウィーラー・ユータとタイムリミットで引き分けたので、チャンピオンシップへのチャンスを手に入れましたが、まだPPVでは公式に発表されていません。 Wrestling Observer 

STARDOM:今からでも遅くないスターダム 番外編 Ep.2 花月総理と息吹の関係

人は、何かを始める誰もが大志を口にするだろう、花月もまたそうだった。入団した際に、仙女のトップである里村を倒し、業界のトップに立つと明白に宣言をした。そして、この言葉は自らの引退を前にして、ようやくその切符を掴むことと相成った。

だがしかし、言葉にしたところで、誰もがその切符すら手にする事が出来るものではない。例えば、これをアイドルに置き換えるなら、誰もが選抜に入りたい、センターに立ちたいと口にしたところで、なれるものではないと言うのはお分かりいただけるであろう。(これを逆手にとって、ありとあらゆる課金を利用して、推しをセンターに出来るのが、秋元康の商法であるのだけれども)

花月には、その才能がなかったのだろうか。今の彼女を見ると、ストイックで、とにかく技の正確性と終盤でも落ちない体力、勝負所で決めに行く力、相手の技を引き出す力と、トップレスラーであると誰もが信じてならないと思うのだが、ここで一つの発見をした。今の花月は全女でも、GAEAでもなく、息吹………吉田万里子に似ているのではないか。

▼心優しいまりちゃんが辿り着いた場所

最近、スターダムから女子プロレスを見始めた人からすると、聞き慣れない名前だろう。1988年デビュー、同期は井上京子。 まさしく群雄割拠の最中、毎日が殺し合いのような全日本女子の中で、異質なほどに素朴さを隠し切れてなかったのが、その人、吉田万里子だった。

印象的なエピソードがある、ベルトを穫った際に、自分弱いからベルトなんて欲しくなかった。でも穫ったら、こんなに嬉しいなんて、と語ったのだ。当時の全女を考えれば、周りには化け物のような人間しかいないのだから、そんな言葉がこぼれるのも無理はない。自分が、自分がという人の波の中で漂う小舟のような存在だったのである。

だが、首のヘルニアを経て、全女退団の後、アルシオンへと参加。この時に、それまでグラン・アパッチェ直伝のマリポーサ殺法、コーナーやロープを活用したルチャムーブではなく、それまで誰も見たことのないようなシリアスなグラウンドと、引き締まった身体でアルシオンにおける新しい時代のプロレスのビジュアルとファイトを担う事となる。



彼女の代名詞といえば、この複合関節技である蜘蛛絡み。華麗な空中殺法から、まだジャベという概念も一般化していない中で、自分の手足全てで相手の様々な箇所を一気に絞り上げるこの技はあまりにも鮮烈だった。

アルシオンからAtoZと移り、彼女は自らのプロデュース興行として息吹を始めることとなる。

▼息吹という存在

時代はちょうど移り変わるところで、それまでフリー選手というのは団体を経験してきたベテラン選手が自由契約としてなることも多かったのだが、この2005年、全日本女子プロレス、GAEA JAPANが共に消滅、団体自体の不安定さ、選択肢の多さが出てきて、団体を離れてしまった若手がフリーになるような事態も増えてきた。

その中で、若手選手の経験の場として実験的に始まったのが、この興行だった。 心優しい吉田万里子が自分なりにプロレス業界に何が出来るかを考えた結果、若手を成長させる場所が必要と考えての行動だった。

大畠美咲、松本浩代、木村響子と、この息吹で一気に成長した選手の名前を上げれば、その後、女子プロレスという文化そのものにどれだけの影響を与えることとなったのかは分かるのではないか。

最後の興行となったのは2010年2月11日新木場、実はこの第一試合に石野由加莉の名前がある。後の花月だ。

先の映像も仙女での試合だが、自らもフリーとなった吉田は多くのベテラン選手にいざなわれるようにGAEA JAPANにも参戦しており、里村が旗揚げした仙女でも若手の壁として立ちはだかることとなる。その関係から、この最終戦にも里村やチサコ、水波など仙女勢が参加した。



期せずして、石野由加莉はストイックで、シリアスで、心優しくて、若手に優しくも厳しい皆の上に立つ人を見ていたのではないか。

▼花月に感じてきた違和感

Twitterを見ていると、花月に対して、ヒールなのに説教じみたマイクをして、という声を時々聞く。だが、紐解くと、スターダム入団の時に自分が入団したらやる事として、若手の育成を上げている。これは自らが対角に立って、試合でその厳しさを叩き付けるというやり方を選択したというわけだ。

時計をもう少し巻き戻せば、大江戸隊というユニットは木村響子によって生まれた。フリー選手として様々な団体を荒らした木村は、フリーであるが故に外敵というポジションをどう演出するかということに、不器用ながら実直に結果を積み重ねてきたタイプのレスラーだ。

花月は仙女を飛び出して、フリーになった後、色々な団体を渡り歩くもうまく結果に結びつかなかったのは、木村響子ほど明確に団体にどんな影響を与えるかというのを見せれなかったというのも少なくはなかったように思う。どこかふわふわした数合わせのような存在は、大江戸隊でヒールになることで一気に花開く。

それも彼女自身が、OZでMK4として正危軍と対立するなど、蓄積された経験を活かした結果とも言えるが、現在でも木村響子との関係を見ると、様々な場面でアドバイスをもらうことも少なくなかったのだろう。

さらに時計を戻せば、息吹という興行は、JWPを飛び出した木村響子にとって起死回生のリングだった。負けん気が先走って、レスラーとしてどんな表現をするのかなどあらゆる事を学んだのは息吹のリングだったのではないだろうか。吉田から木村へ、木村から花月へ………そして、そのバトンは今、皆が知るように、葉月、ナツコ、たむ、飯田………桃や叫女へと渡された、と考えると、花月が何故ヒールユニット大江戸隊でありながら、ああいうマイクをするのか、というのが分かるのではないか。

▼赤い血の行方

花月には間違いなく、赤い血が流れている。長与の発言の通りだ。全日本女子プロレスの象徴である長与、その一番弟子である里村、全女もGAEAも仙女もずっとイメージカラーは赤。この色は彩羽や橋本へと引き継がれているが、しかし、花月にだって流れているものだ。

ただ、不思議なもので以前、このブログでも触れたように全女の赤のベルト、WWWA世界シングル王座というものは全女のトップのベルトでありながら、北斗晶が巻いていないベルトとしてもよく知られる。そして、吉田万里子もその1人だ。

吉田はスタイルを変更した後、クイーン・オブ・アルシオン王座を戴冠。2003年の最後の王者となるまで3度の戴冠をしている。

つまり、花月は確かに赤い血の人間ではあるが、覇道を真っ直ぐに突き進んできたわけではない。これまた吉田と同じように、団体を離れ、様々な人と関わり、若手を育てる中で自らも成長した。そして、その結果、今またその道の先に立つ師匠へと視線を向けたのだ。

師匠が出した条件は、まさしく今、覇道に立つ橋本と試合をすること。花月は試されることとなった。自らが歩いてきた道は正しかったのか。この業界に何を残すのかを見られるわけだ。

花月は引退をする相手に、繰り返し、去る者と残る者の違いを唱えてきた。それは安っぽいブックのようなものではなくて、リングの上に立つ者にしか分からないほんの少しの差なのかもしれない。だが、これは彼女がプロレスラーになった瞬間から抱いてきた悲願だ、フリーになったのだってこの日のために、この一瞬のために環境を変えたのだ。自分が育てた選手の首をはねる覚悟の師匠を前に、花月が自ら望むのは勝利なのである。


【STARDOM:里村、花月引退興行での一騎打ちを了承、しかしその条件とは】




https://www.wrestlingismylife.fun/search/label/STARDOM

コメント

このブログの人気の投稿

WWE:ソーニャ・デビルが自身のセクシュアリティをカミングアウトした瞬間、WWEでオープンである反応について語る「自分がなりたいと思う人になってもいいということを人々に伝えるためです。」

里歩を巡る数奇な状況について

ROH:7.26PPV「Death Before Dishonor」の女子王座戦2試合が発表!アテナvsアミナタ、スタークスvsベルベット、手負いの世界王者アテナは防衛することが出来るのか。