アンドラス宮城は常々,頭のいいレスラーだと思っている。タッグトーナメントでの度重なる誤爆。自分をスターダムに連れて来た花月とのチグハグな関係性。それは試合の中だけではなく、SNSにおいても積み重ねられていて、先週の段階で彼女のTwitterアカウントは削除されていた。
▼糸を紡ぐような物語
ある意味、オーソドックスな方法ではあったのだが、6人タッグ戦途中から試合に介入せず、味方である花月達を看板で殴打。 これに激怒した花月が大江戸隊からの追放、シングルでの一騎打ちを言い渡した。
アカウントが消えた時点で何らかの行動に出ると思われてはいたのだが、大方の予想通りになってしまった、という言い方が正しいだろう。
しかし、彼女の仕掛ける物語が一段違うのは、スターダムは明日も新木場で興行を行う、という点だ。ビー・プレストリーvsスターライト・キッドvsアンドラス宮城、つまりユニットとは関係ない1人での試合なのだ。
彼女が今日、仕掛けた物語は明日、新木場で更新をされることとなる。
▼SNSを差し引く、という考え方
有名な話だが、彼女はグラフィックデザインの出身である。デザインというものを考える時に重要なことは要素を差し引いていくことだ。何でもかんでも書いてあればよいというわけではなく、適切に、かつインパクトを持たせるために差し引いていく、という思考が基本的な部分に存在している。
これまでの彼女のSNSは、興行の中で伝え切れないものを広げていく行為だった。団体の中で主たる話題にはならないものの、彼女の行動、発言、SNSが試合自体の意味を広げて来たのだ。
印象的なのは、今年のシングルリーグの最中、執拗に対戦相手と1試合毎に手を変え品を変え、SNSでテーマを構築していた。
それが、SNSのアカウントを消して、大きな行動に出た瞬間、アカウントがないことによって、彼女の意思や次の行動は翌日の現場に行かなければ、手に入れることは出来ないのである。
今、SNSをどう活用するか、フォロワーをどう利用するかが重要と言われている業界の中で、今までフォローしていた人を捨てるという行為はマーケティングからすれば無謀にも程がある。しかし、これによって確実に明日、スターダムを見に来るという行為の価値は上がっていると見ることも出来るのだ。
▼アンドラス宮城の今後の行方は
極めて個人的な見立てではあるが、果たして今の大江戸隊が純粋なヒールユニットとして機能していただろうか。Youtubeの大江戸隊のコーナーを見ていると、そこが徹底されているかとなると難しい気がする。
かといって、これでアンドラス宮城がフェイスターンするとも思えない。彼女があの姿になって以来、スタンスとしてはヒールを貫いてきているからだ。そう考えると、例えば、明日の対戦相手であるビー・プレストリーを自身のユニット立ち上げに引き抜いたとすれば、スターダムのユニットのバランスが大きく変化するのではないか。
それが他の外国人にまで波及したとすれば、彼女の行動は非常に刺激的に見える。一体、何を考え、動き出したのか。その答えは明日まで待つ必要があるようだ。
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