前回、
棚橋からの叱咤について記事にしたが、今度は石井が対戦したテンコジへの強烈なダメだしを見せた。
石井「テンコジ、あいつら組んで何年だ? 20年? 今日の敗因わかるか、あいつら? わかんねえだろな。わかってたら、勝ってるもんな。教えてやるよ。お前ら、20年前と変わんねーんだよ。試合が一緒なんだよ。進化してねーんだ。わかるか?」
(
https://www.njpw.co.jp/card_result/224888)
▼変わらぬ試合を見せてくれることへの安心感
これには少し難しい部分も存在する。キャリアを重ねた選手が出てくるということは、見に来たお客さんにとっては、あの時見た技を生で見たいという気持ちは当然ある。それは特にテンコジの場合、非常に強く感じる。天山のモンゴリアンチョップしかり、小島のダイビングエルボーしかり。
しかし、石井の指摘は最もである。勝ちを狙いにくるのであれば、20年以上やってきた動きと同じ動きをしていれば相手は当然の如くその動きを読める。
ダイビングエルボーが防がれるのはその結果とも言えるが、テンコジの全ての動きがそういう段階に入ってきているということは、この指摘から考えなければいけない問題ではある。
石井は「1年でも長く続けたいなら、新日本の中心に戻りたいなら、今のプロレス勉強しろ」と言葉を続けたが、これは石井だからこそ言える言葉である。基本的なレスラーとしてのスタンス、頑丈さという石井自身のプロレス観は変えずも、時と場合によっては相手の技を掟破りで狙っていったり、勝つためのプロレスというのを石井は常に考えているということは誰もが納得する部分だからだ。
▼変化を求められる時、武藤はニヤリと笑う
キャリアを重ねた選手が同じ技を出し続ける程に、武藤はいつだってほくそ笑んできた。 ムタや黒使無双といった他の顔だけでなく、武藤自身、コスチュームやキャラクター、使う技の1つ1つまでその時々で変化させてきた希有なレスラーだからだ。
二度目のWCWから戻ってきたイノキボンバイエの際のスキンヘッド、BATTの結成、シャイニングウィザードの誕生………キャリアとしては後半に入ってからの狂い咲きなど誰が想像していただろうか。
今またムーンサルトプレスを失ったからこそ、新しいレスリングスタイルを考えなければいけないと口にすることが、テンコジにも求められていると言える。
▼棚橋にもスタイルの変化を求めたい
個人的には、棚橋にも同じことが言える。スリングブレイドしかり、ハイフライフローしかり、棚橋の技はヘビー級でありながら軽やかさと重厚さを織り混ぜたものが特徴的ではある。
レスラーは誰だって怪我と向き合いながら戦っているし、棚橋という存在がファンに求められているのは百も承知の上だが、1年でも長く続けたいなら、変化を迎えてもいいのではないだろうか。
かつて非難をされたが、ドラゴン殺法への回帰だって1つの在り方だ。変わらぬファイトをする棚橋よりも新しい武器を見つけて、オカダや飯伏を揺るがす棚橋を観客は少しでも長く見たいと思っているのではないか。何よりも試合中に動けていない姿を見るのは心苦しさがあるのだ。
▼同世代の活躍を見ると
第三世代が1.4、1.5の舞台でバトルロイヤルでお茶を濁すのを見届けるのは我々にとって本望だろうか。確かに、三銃士、四天王の世代はどんどんリングから離れている。だが、同世代で見たら、秋山の怖さは未だ若手には崩せない。第三世代の彼等がここで引くというのは新日本プロレスにとって正解とは思えないのだ。
今のプロレスを研究したテンコジはもちろんだが、GODを前に無類の強さを見せつける中西もみんなは見てみたくはないか?そう問いかけたい
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