【11.19 新日本プロレス ワールドタッグリーグ 棚橋コメント】
棚橋が吠えた。前日はテンコジ、当日永田、中西と対戦。勝利を収めたが、バックステージに戻ってきた棚橋はかつて胸を借りた先輩達に敢えての叱咤を送った。
『
20年迎えて、俺は思ったよ。やるなら今しかないじゃん。永田先輩、中西先輩、小島先輩、天山先輩、“逆世代闘争”仕掛けるなら、今でしょ……』
▼第三世代にタッグリーグ出場権限はあったのか
今回のタッグリーグ、出場チームの多さというのも話題となっているが、 一方で個人的に疑問点はいくつかある。新日本内のユニットから複数チームが出ているのは現在の選手層の厚さから考えれば当然なのだが、提携団体からの出場枠が極端に少ない。CMLLはルーシュ、ドラゴンリーを解雇してしまったがために戦力ダウンは否めず、ROHもWWE、AEWにこの1年で選手をごっそり奪われたのは事実だ。しかし、それを鑑みても、今年の第三世代にタッグリーグに出場する資格があったのだろうか。
今年の第三世代はほぼシリーズに帯同していない。主な仕事は一般ファン向けの体操教室だけだ。個人的に、もったいないという気持ちがある。かつての新日なら前半にヤングライオンを古老が潰す試合があった。小鉄さんや星野さん、木戸さんらがビッシビシにしごいて潰していくのだ。今の第三世代にはそんな仕事も与えられていない。
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▼今こそ若手主体の興行をやるべきでは
新日はこれまでも何度か若手主体の興行を行い、第三世代を壁として置いてきた。今の興行のボリュームを考えれば、そんな試合を第三試合とかに置けないのは理解が出来る。しかし、サイズの小さい会場だったらどうにでもなるし、本戦に出てる若手のファンも来てくれるはずだ。
なにより第三世代のファンは彼等に思い入れのあるファンが多い。テンコジが揃えばそれだけで見に行く価値があると思っている。それはそうだ。蝶野が並んだ時にその脇を固める天山、小島という絵には当時を知るファンは誰だって思いがある。武藤が離れた時も小島が着いていった。その間に、天山は色々な人間との出会いや別れがあった。裏切られもした。そして、2人はタッグとしてまた組んだ。永田、中西だってそうだ。彼等にはストーリーがある。今の新日はそれを忘れてはいないか。
▼新日で軽視されるストーリー問題
この10年、試合のクオリティは非常に高くなっている。単純な立体的な攻防という話だけではなく、野毛道場の中の技術のみならずザックやオスプレイによって持ち込まれるランカシャーのオールドスタイルもそうだし、モクスリーらによるハードコアスタイルもそうだ。試合の幅が広がりつつある。
しかし、その一方で、 選手のストーリーを見せていくということはどんどん薄まっている。外部から来た選手に対しても、新日本の中でどんな功績を残したか、所属としてコミットしたかということを重視しているのが実況、解説から滲み出ている。
反対に、第三世代のような実績のある人間を排除して、興行を組み立てるような形も見せる。メインのラインがオカダ、内藤、ジェイ、飯伏、SANADAとフィジカルもビジュアルも整った人間が集まるのは分かる。
第三世代についていたようなオールドファンよりはこれからのヤングライオンも応援してくれるようなファンは確かに重要だ。だが、本当にそれが新日本の正しい姿だろうか。
▼棚橋の苦しみ
第三世代は既にヤングライオンを潰す試合を経験している。それで登ってきたのが、誰でもない棚橋だ。新日本の復活について棚橋を救世主と言う声は多いが、その時に反対側に立っていたのは永田だ。
永田の鋭い蹴りをドラゴン殺法と足殺しで攻略するパターンは若かった棚橋の必勝パターンとして定着した。今の第三世代を見て、心苦しく思うのは誰よりも棚橋なのだろう。
棚橋自身も身体的な不調は隠し切れない。昨年のG1の優勝、1.4での戦いなどはあるものの、動きそのものは一時に比べると急激に出来る範囲で選択を迫られているのを感じる。
そんな棚橋からの愛のあるメッセージに、第三世代はどのように答えるのか。
迫り来る新日本最大のイベントを前にエースは何を思う。
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