ROH:7.26PPV「Death Before Dishonor」の女子王座戦2試合が発表!アテナvsアミナタ、スタークスvsベルベット、手負いの世界王者アテナは防衛することが出来るのか。

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7月26日金曜日に開催されるROH Death Before Dishonorで行われる2つのタイトルマッチが発表されました。 女子世界チャンピオンのアテナは、クイーン・アミナタを相手にタイトルを防衛することになりました。この試合は木曜日のROHで発表されました。アテナは5月から活動を休止しており、リング上での欠場はストーリー上の負傷が原因とされています。女子世界チャンピオンは5月の最後の試合で怪我の恐怖に苦しみましたが、それはストーリーの中で誇張されています。 アテナの「手先」ビリー・スタークスもDeath Before Dishonorでタイトルを防衛します。PPVでレッド・ベルベッドを相手にROH Women's TV 王座の防衛戦を行います。 木曜日の放送では、リー・モリアーティーがROH Pure Championship Proving Groundの試合でウィーラー・ユータとタイムリミットで引き分けたので、チャンピオンシップへのチャンスを手に入れましたが、まだPPVでは公式に発表されていません。 Wrestling Observer 

波乱を呼んだ"女ゴジラ"松本浩代の一言に見る女子プロレスの未成熟さ


18日、高橋奈七永との爆女王王座戦で勝利した後、松本浩代がこう言った「ざまぁみろ高橋奈七永ファン」という発言が物議を醸している。
ノーロープ有刺鉄線電流爆破&電流爆破テーブル&ダブルヘルという壮絶なルールで行われ、実際に試合を見た観客からも試合の内容がすごく良かっただけに発言を残念に思うという声も聞かれたのだ。
振り返ってみると、この2人のすれ違いというのは昨年の10月にまで遡る。
SEAdLINNNGが3周年を迎えるにあたって、ついにシングル王座を設立。 チャンピオンを決めるトーナメントを行うのだが、ここにエントリーされた松本は所属選手3人のSEAdLINNNGに、3本もベルトが必要かと問題提起したのだ。
トーナメントは全員様々な団体で王者になった強者ばかりが揃った中で、冷や水をぶっかけるような発言 に、奈七永が激怒し、試合は行ったものの団体からの追放を行った。

しかし、翌年2月、世志琥が自らのタッグパートナーとして呼び込むと、タッグ王座を奪 取。先月の興行で奈七永はタッグ王座に挑戦するも敗北、松本から奈七永の持つ爆女王への挑戦を表明され、これを受けた。というのが、ここまでの流れである。
ここで感じたことを幾つか掘り下げたい、と思う。

【きちんと物語のポイントが観客に伝わっていたのか】

先に書いたように、流れで追えば、この物語というのは丸1年かけて積み上げられた結果である。昨今の女子プロレスにおける物語のスパンで考えれば長めに組まれているのだが、この物語を観客はちゃんと理解出来ていたのだろうか。
起きているエピソードだけを見れば、徹底的に奈七永の怒りを買うようなことを仕掛け続けている。シングル王座戦での舌戦、出禁からの来場、タッグ王座での敗北、爆女王での敗北。感情曲線としてもオーソドックスなストーリーテーリングとなっている。
奈七永のファン、SEAdLINNNGのファンなのであれば、松本という存在は強烈なアンチであり、本来屈辱的な展開であることは間違いない。そこを考えれば、松本が勝ち誇り相手やファンを侮辱するのも納得はできる。

【言葉の拙さが目立つ】

侮辱する流れは1つの正解だというのは分かった。しかし、そこで吐かれた言葉が拙さや雑に感じた。反応を見ても、選手vs選手だったはずなのに、急に選手vs観客という構図を作られた、と感じた人もいたようだ。
これは、その前段階での丁寧さに欠けるからだ。松本の側が奈七永のどこに問題があり、それを応援しているファンにどう影響しているのかという事をきちんと説明出来ていれば、観客は自分達も松本の攻撃対象なんだと認識出来てたはずだ。
しかし、これが「なんかむかつく」という言葉で片付けられている。学生の喧嘩ではないのだから、どうにかならないのか。いや、奈七永の方もこの辺りをうまく 言語化するのが得意なレスラーではなく、どちらかといえば思いつきや感情で飛び出していくタイプなので、中嶋にキレられたりするのもよく見るのだが………
最初のシングルトーナメントの時にもこの問題は発生している。松本には考えがあってベルト不要論を発したらしいが、事前会見でも奈七永の質問に対し「お楽しみに」とかわしたり、試合後に「いずれ解ってもらえると思う」と核心を突かない発言を繰り返している。
そろそろ日本の女子プロレスが全体として、きちんと物語を描いていく、1つのエンターテイメントとして強度を持って進んでいくために、どこをto be continuedにして引っ張るのか、どこを説明して物語の強度を強めるのかということを考えるべきではないだろうか。

【ベルトの価値論争の行く末】

実はこの話は既に次の展開へと進んでいる。松本は自身が取った爆女王のベルトをOZアカデミー横浜文化体育館大会で決定していた尾崎魔弓とのOZアカデミー無差別級王座にかけるといい、ダブルタイトルマッチへの変更を要求したのである。
松本はこの記者会見で、「今女子プロ界の中で数あるベルトの中でもOZのシングルは私にとって特別。歴史を一番引き継いでいるのはOZのベルトだと思っているから」と発言している。
OZアカデミーという団体自体もGAEAとJWP出身の尾崎の関係から生まれたものであったり、主催興行として10年続けた末の団体化した際にこのベルトも作られている。最初の興行から考えれば、既に23年が経過し、今回ベルトが新調されるという状況もある。
SEAdLINNNGでの松本の発言と一貫してリンクする部分というのは感じるし、全日本女子プロレス以降の奈七永の姿勢を考えると、確かに強く革新的ではあるものの、業界全体での価値を創出出来ているかというと疑問が残る部分もある。
尾崎魔弓はずっとヒールを続け、OZアカデミーでは全て尾崎の思い通りに事が進む。介入、凶器なんでもありだ。その尾崎に人生初の電流爆破というのを飲ませたのは非常に面白いし、尾崎は50歳にして二冠王になる可能性があるのだ。
さらに、PURE-Jでは無差別級王者の中森華子が、同期である松本を挑戦者に指名。松本はこれを受諾した。この世代は団体こそばらばらながら、全員が様々 な団体で王者になり、業界を牽引する中で中森が1人出遅れるような形になった。今まではその名前を出せなかったが、今なら松本の名前を出せると理由を明か した。
奇しくも松本を指名する前にこの王座戦を行ったのは、OZアカデミーの永島千佳世、酸いも甘いも知り尽く したベテランがPURE-Jをまとめていたコマンド・ボリショイが引退したら団体はなくなると公言し、若きエースに揺さぶりをかける神経戦を乗り越えると いう複雑な状況を蹴り飛ばし、13年のキャリアで1度も勝ててない同期のライバルを指名するという展開である。
こう書くと、松本の業界内での影響力、風の吹き方が分かると思うのだが、なにせこういう切り口で拡げる人間がいないのだ。松本自身がフリーランスだというのはある。ましてや、異なる団体で同時多発的に発生している話なのだから、団体側の擦り合わせが出来るものではない。
しかし、こういう見方をすると、奈七永の「ぶっ壊す、ぶっ壊すっていうけど、何も壊してない」という発言は空虚さを増す。松本の圧倒的なフィジカル、破壊力、スタイルというのは価値があり、団体の垣根を破壊して、その価値を示しているのではないか。
 
多団体化の功罪は様々な形で言われているが、物事を複雑にし、本来持っているエンターテイメントとしての面白さをスポイルし、成熟出来ない問題を孕んでいると思う。もう少しだけ、娯楽としての可処分をどうすれば奪いに行けるのか冷静に考えてほしいのだ。


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